ストレス対策

スタンフォード 自分を変える教室

 

スタンフォード大学で博士号(心理学)を取得し、スタンフォード大学
の健康心理学者の著者が書いた本ですね。

健康以外にも、成功や人間関係の向上に役立つ実践的な戦略を
提供しているようです。

で、内容は

『何か達成したいことがあって、それを阻害する思考パターンは何か?
どのような思考パターンをすればイイか?意志力を鍛えるためには?』

が書かれています。

特に、心理学や、脳の働きの観点から、目の前に起こった事象に対して
どういう思考パターンが起こるか?が実験や研究、理論から説明して
くれています。

内容も理論立てて説明してあって、

『なるほど、こういう思考パターンが失敗に導くのか。』

というのが、めちゃくちゃ分かりやすく書かれています。

逆に、

『こういうとらえ方をするといいのか。』

というのもわかります。特に、この本では『意志力』に着目してあって
どういうときに『意志力が落ちるか』また『意志力が上がるか』が
とってもわかりやすいです。

具体的な内容を一部ご紹介します。

【思考パターン1】(努力の方向性)
●『良いこと』やっていると思い過ぎない。
 ⇒良いことをやっていると思うと、それを打ち消すように悪いことを
   したくなる。道徳的にいいことをすると、少しくらい自分の好きに
   行動してもいいだろうと思ってしまう。

●人は正しいことはしたくないと感じる
 ⇒道徳的に『正しい』と思える事には反発したくなる。人間の行動
  基準は『欲しいものを手に入れる』、『欲しくないものは遠ざける』
  ことだと理解する。

●つまり
 ⇒達成したいことをしていて、それを『良いこと』とか『正しいこと』
  基準でやろうとするのではなくて、『これは自分に必要なこと』
  『欲しいこと』と理解したうえで努力する。
  自分を見失いそうになったら、『立ち止まって「なぜ自分は頑張
  っているのか?」と問いかける』。

【思考パターン2】(先送り)
●今の自分の判断よりも未来の自分の判断のほうが合理的に判断
  できると思い込む。
 ⇒人は今の判断よりも将来の自分のほうが、合理的だと思い込む。
  例えば、ダイエットをしていて「今日はケーキを食べてしまったけど、
  明日は必ず我慢できる。」など。
  こういった思考パターンに入ると、次の日も必ずケーキを食べる。
  あとで、取り返せると思っていないか?
  そういう思考パターンの人は先送りし続ける。

●つまり
 ⇒目の前に目標達成を阻害することがあり、その誘惑に負けそうに
  なっている場合、「明日は大丈夫」と考えるのではなくて、一度
  立ち止まって、
  「ずっと先延ばしして、後でツケを払ってもいいのか?」と自分自身に
  問いかける。

【思考パターン3】(欲求と幸福感)
●快感の予感が行動を狂わせる
 ⇒人間の頭が欲求に支配され、ドーパミンが出ると、その欲求を満たさ
  そうとすることしか、考えられなくなる。
  特に、人間はその欲求を満たすことよりも、『欲求を満たせる可能性
  がある』ほうに強く惹かれる。
  なので、実際に欲求を満たしてもそれほど満足感がえられず、『次の
  可能性を求めて』次々にその欲求に従って行動する。
  ラットの実際の実験で、脳のその部分を刺激すると、欲求は満たせて
  いないのに、満たそうと、食べ物や飲み物も取らずに、ずっと電気網
  の上を、足が焦げるまで走りつづけた。

●つまり
 ⇒ここでも一歩立ち止まって、「自分はどこに向かおうとしているのか?」
  と、気づくことが大切。

【思考パターン4】(罪悪感)
●努力が失敗した時の罪悪感
 ⇒失敗して罪悪感を感じると、その失敗したことをもう一度やる可能性が
  高くなる。例えば、「昨日のみ過ぎた。。自分は何やっているんだ。。」
  と感じると、その次の日もまた飲んでしまって、悪循環にはまる。
  自己批判うつ病の最大の予兆。

●つまり
 ⇒失敗して、罪悪感を感じるのではなく、ありのままを受け止める。
  また、失敗した時に自分を許す。
  許すと次も同じ失敗をしてしまう可能性が、高くなるような気がするが、
  実は逆で、ありのままを受け止めることができ、失敗する可能性が
  低くなる。

【思考パターン5】(決心するだけ)
●決心した時、気分は晴れやかになるが
 ⇒決心して、変わった後の未来を想像するとストレスは軽減し、気分は
  晴れやかになるが、実際に大変なのはそのあとの努力。
  そこで挫折してしまう人も多い。
  つまり、『決心して気分がよくなる』⇒『努力して挫折し落ち込む。』
  ⇒『決心して気分がよくなる』は、一番楽に気分がよくなるがこれでは
  何も進まない。

●つまり
 ⇒決心して、努力した時に、『どういうときに自分が失敗するか?』と
  少し悲観的な一面も持って、努力することが大切。

など、失敗する思考パターンの原因がかなり詳しく書かれています。

アクションアイテムはどちらかというと少なめですが、原理や原因をしら
ないと、次に生かせませんので、そういう意味ではかなり役に立つ本
でした。

スタンフォードの自分を変える教室 スタンフォード シリーズ

スタンフォードの自分を変える教室 スタンフォード シリーズ