書籍 怖い絵 中野京子
モロゾフのチョコをもらったけど食べるのがもったいない。
Amazon unlimitedで読める『怖い絵』の感想。
🎀
絵画に興味があるなら読みやすい本。ただしヒューマンラブ要素は0。大体マイナス(例外あり)
22点の絵画の解説がある中でいくつかピックアップ。
画像は著作権セーフらしいのでkindle版からのスクリーンショットです。
・ダヴィッド『マリー・アントワネット最後の肖像』
最後の文がマリーアントワネットへの愛に溢れててエモかった。人を笑う人間はまた誰かに笑われるのです。
・ゴヤ『我が子を喰らうサトゥルヌス』
・ベーコン『ベラスケス〈教皇インノケンティウス十世像〉による習作』
この2点はガチめにビビるので夜眠れなくなる人を救う為に絵は載せない(偉い)
・クノップフ『見捨てられた街』
タイトルが良い
アルテミジア・ジェンティレスキ『ホロフェルネスの首を斬るユーディト』
一見生々しくて怖いですが古典絵画にありがちな美女〜処女〜聖母〜娼婦〜醜悪な老婆〜みたいな客体化された、もしくは男自身の老いや醜さから目を逸らす為にスケープゴート化された女性ではなく主体的な女性の絵ですきぴ。と思ったら女性画家さんだった。芸術の世界は近代まで男尊女卑が酷くて女性はヌードデッサンすら許されず動物のデッサンしかできなかったと聞いたことある。ほんまゲスな世界でゲス。
グリューネヴァルト『イーゼンハイムの祭壇画』
一見怖い絵でも人を救うというなんかエモい章。
ゲームブックのように俺=重病患者として文が展開するので
イエス様も我々と同じ病に侵されながらも人々を救おうとしてくださったのじゃ!
とこの絵を見た当時の患者と共鳴できる素晴らしい解説だった。